東京(関東甲信越ブロック)

仕事と生活の調和推進プログラム

― ワーク・ライフ・バランス社会の実現に向けて ―


東京(関東甲信越ブロック)
仕事と生活の調和推進会議

平成19年3月
東京(関東甲信越ブロック)仕事と生活の調和推進プログラムとは

 平成18年4月1日、労働時間等に関する事項を労働者の健康と生活に配慮するとともに、多様な働き方に対応したものへと改善するための労使による自主的取組を促進し、労働者一人ひとりの仕事と生活の調和を図ることなどを目的とした「労働時間等の設定の改善に関する特別措置法」が施行されました。
 労働時間等の設定の改善の促進を通じて仕事と生活の調和を推進するためには、単に職場の労働条件の問題だけでなく、人々の生活スタイルに密接に関わる問題に取り組むことが必要で、生活に密着したそれぞれの地域における理解と協力が欠かせません。地域の産業、生活習慣等の特性を踏まえた合意の形成が重要です。
 このため、関東甲信越ブロックにおいて、「東京(関東甲信越ブロック)仕事と生活の調和推進会議」(事務局 東京労働局)を開催し、労使をはじめ学識経験者など幅広く各界、各層の意見を求めました。そして、同会議において、同会議が行うキャンペーンの実施に関する事項及び地域の労使が、労働時間等の設定の改善の促進を通じた仕事と生活の調和を推進する際に参考となる取組目標・手法を内容とする「仕事と生活の調和推進プログラム」を策定しました。

I 趣 旨

(1)  わが国の社会経済環境は、経済のグローバル化による企業間競争の激化、IT化による技術革新の進展などで大きく変わりつつあります。このような中で、わが国は少子・高齢化というきわめて深刻な問題をかかえています。
  労働時間の状況は、年間総実労働時間は、労働時間の短縮の促進に関する臨時措置法(時短促進法)が掲げた1,800時間という初期の目標を概ね達成できたものの、その内実をみると、全労働者平均の労働時間が短縮した原因は、主に、労働時間の短い者の割合が増加した結果であり、いわゆる正社員等については、依然として労働時間は短縮していません。また、労働時間の短い者の割合が増加するとともに、週の労働時間が60時間を超える者の割合は依然として多く、労働時間分布の長短二極化の状況にあります。さらに、年次有給休暇の取得状況は、年々低下し、平成13年以降、50%を下回る状況で推移しています。こうした中で、長時間労働に起因した脳心臓疾患や精神障害等の労災認定件数は高水準で推移し、過重労働による健康障害が社会問題化しています。
(2)  このような背景のもと、平成18年4月1日「労働時間等の設定の改善に関する特別措置法」が施行されました。この法律は、労働時間や休日、休暇のあり方などを労働者の健康と生活に配慮するとともに、多様な働き方に対応し、労働者一人ひとりの仕事と生活の調和を図ることなどを目的としたものです。併せて、労使の自主的取組を進めるうえで参考となる事項を定めた「労働時間等設定改善指針」も示されました。
  労働時間等の設定改善の促進を通じて仕事と生活の調和を推進するためには、単に職場の労働条件の問題としてだけでなく、人々の生活スタイルに密接に関わる問題として取り組むことが必要で、生活に密着したそれぞれの地域における理解と協力が欠かせず、地域の産業、生活習慣等の特性を踏まえた合意の形成が重要です。
(3)  このため、茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉、東京、神奈川、新潟、山梨、長野の10都県を一つのブロックとして、東京労働局が事務局となり「東京(関東甲信越ブロック)仕事と生活の調和推進会議」を開催し、労使をはじめ学識経験者など幅広く各界、各層の意見を求めました。
 そして、同会議において、同会議が行うキャンペーンの実施に関する事項及び関東甲信越ブロックの地域の労使が、労働時間等の設定の改善を通じた仕事と生活の調和を総合的に推進する際に参考となる「仕事と生活の調和推進プログラム」を策定しました。
  同「推進プログラム」は、ブロック内における労働時間等の設定の改善を通じた仕事と生活の調和が円滑に進められるようにするため、労働時間等に関する目標及びスローガンを掲げ、さらにこれを達成するために必要な手法等を事業主、労働者等に提案するものです。

II 仕事と生活の調和に関する意識調査結果について

  平成18年に厚生労働省労働基準局勤労者生活部で実施した「仕事と生活の調和に関する企業及び労働者の意識調査」(関東甲信越ブロック分)の企業集計概要によれば、企業の約96.8%が仕事と生活の調和のとれた働き方の実現の必要性について、「必要」と回答しているにもかかわらず、「実施体制が整備されている(労使の話し合いの機会を設けている)」と回答した企業は36.3%に対し、「今後設ける予定」または「設ける予定なし」が63.7%と多数を占めており、取組が遅れている状況が認められます。また、労働時間等設定改善法について「知らない」及び「知っているが詳細は知らない」と回答した企業は、78.5%と同法の周知度が低い状況が認められます。
  また、同調査の労働者集計概要では、年次有給休暇、休日、所定外労働の状況について、「不満(不満及びどちらかといえば不満)」とする回答の比率は、年次有給休暇については25.8%、休日については21.6%、所定外労働については19.5%と、なお高い比率となっています。年次有給休暇取得に当たって「ためらいを感じるか」という問いに対しては、「ためらいを感じる」及び「ややためらいを感じる」が66.2%と高い比率を占めています。ためらいを感じる理由として、「みんなに迷惑がかかる」という回答が62%、ついで、「後で多忙になるから」(45%)「職場の雰囲気で取得しづらい」(35%)の順に多くなっています。

グラフ グラフ


III 仕事と生活の調和推進キャンペーンの実施

1 キャンペーンの実施
 仕事と生活の調和に関する意識調査の結果、仕事と生活の調和のとれた働き方の実現について、その取組が進んでいない状況が窺えます。したがって、関東甲信越ブロックにおいて、今後ますます仕事と生活の調和のとれた働き方の実現を推進するためには、企業や事業主団体及び労働者に対し仕事と生活の調和のとれた働き方の推進について、強力に周知啓発を実施し、労使の意識改革を進め、地域における気運の醸成を図っていく必要があります。
 このため、東京(関東甲信越ブロック)「仕事と生活の調和推進会議」は、年間を通じて、「仕事と生活の調和の取れた働き方」を推進するため、周知啓発を行い、労使の取組を促進することとします。また、11月を「ワーク・ライフ・バランス推進月間」として、月間中に、集中的・効果的に周知啓発キャンペーンを実施します。

2 スローガン


「働き方を見直そう!」
―仕事も生活も大切に、充実した人生を!―

  ※「ワーク・ライフ・バランス」を付記します。

  推進月間の副題
―11月はワーク・ライフ・バランス推進月間―

3 実施方法



(1)  推進会議は、事務局である東京労働局を通じて関東甲信越ブロック内各労働局に対して、本推進プログラムの周知啓発の実施を要請します。
(2)  各労働局は、労働時間等の設定改善を担当する部課と、育児・介護及び次世代支援を担当する雇用均等部門が緊密に連携し、ホームページ等の活用による本推進プログラムの周知のほか、取組事例等の積極的な収集と発信に努めることとします。 また、管下の労働基準監督署やハローワークの協力も得て、ブロック内の企業、事業主団体、労働組合等に対し、「仕事と生活の調和のとれた働き方」の実現に向けて、自ら取組を行うよう、年間を通じ、ポスター・パンフレット等の配布や各種媒体を利用した広報、及び説明会・講習会を実施する等して、本推進プログラムの浸透を図るものとします。
(3)  また、11月の「ワーク・ライフ・バランス推進月間」中には、各労働局は、関係行政機関や自治体及び関係団体の協力(協賛、後援、広報、参加等)を得て、「仕事と生活の調和シンポジウム」等を実施し、講演や取組事例の紹介を実施するなどして、企業の労使をはじめ、広く一般社会に対しても、集中的、効果的に周知啓発を行うものとします。 なお、この場合、企業間取引における納期等発注方法の適正化や一般消費者に対するサービスのあり方等についても問題提起するなど、仕事と生活の調和のとれた働き方の実現に向けた社会的気運の醸成を図ることとします。

IV 取組目標・手法
 「東京(関東甲信越ブロック)仕事と生活の調和推進会議」は、関東甲信越ブロック内企業において、仕事と生活の調和の取れた働き方を推進するため、労使が取り組むべき重点目標として次の項目を掲げます。
年次有給休暇の取得促進を進める

1 取組目標

 「東京(関東甲信越ブロック)仕事と生活の調和推進会議」は、年次有給休暇の取得率が低下していること、労働者の意識調査結果において、年次有給休暇の取得にためらいを感じる労働者の割合が高い比率(66%)を占めている現状に鑑み、企業の労使が、仕事と生活の調和のとれた働き方を推進するため、年休取得予定表の整備や計画年休の積極的活用等により年次有給休暇の取得促進に取り組むことを提言します。

2 スローガン

「しっかり働き、ゆっくり休む!」
―有給休暇を長短、柔軟に取得しよう―

3 手法・効果

年次有給休暇取得予定表の整備 職場内において、年休を取得しやすい環境をつくるため、社内各部課ごとに、「年次有給休暇取得予定表」等を整備し、これを毎月定期的に回覧記入し、掲示する(見える化)などして、取得予定を立てるよう社内システムを整備しましょう。
管理者の役割 管理者(マネージャー)は、部下の労働時間や休暇の管理が重要な責務であることを認識し、取得予定のない労働者には、取得勧奨を行い、また、自らも積極的に年休を取得する等取得促進に努めましょう。
年休を取得しやすい環境作り 職場内において、「みんなに迷惑がかかるから」、「上司・同僚がとらないから」、取得しにくいといった雰囲気をなくすため、労働者全員が年休の有用性について共通の認識を持ち、お互いがコミュニケーションをとり、協力して、業務の調整を行うなどして、年休を取得しやすい環境作りを行いましょう。
計画年休の積極的活用 労働基準法第39条第5項の年次有給休暇の計画付与制度(計画年休)を活用し、祝休日と年休を組み合わせる等して、年間を通じて都合よい時季に、連続休暇を取得しましょう。春季はゴールデンウィーク、夏季はお盆休み、冬季は年末年始に連続して取得することが多くの事業場で定着していますが、秋季にも連続休暇を取得することを提案します。
半日単位で柔軟に取得 日々の育児や家事のために利用したいという人は、業務と調整しながら、1日(半日)単位で柔軟に取得しましょう。
年休取得の効用 社内で全員が、柔軟に、融通性をもって、年休を取得することが定着すれば、過重労働を防止し、心身ともにリフレッシュして働く意欲が高まることとなり、企業活動の活性化につながります。また、労働者の意識やニーズが多様化している中で、労働者が必要とする時期に計画的に年休を取得することにより仕事と生活の調和を図ることができます。

所定外労働の削減

1 取組目標

 「東京(関東甲信越ブロック)仕事と生活の調和推進会議」は、一般労働者の所定外労働時間が増加し、週に60時間以上働く者の比率が依然高い状況にあること、過重労働による健康障害の発症も減少していないことから、毎週○曜日を「定時退社デー」とする等、企業の労使が所定外労働時間の削減を図ることを提言します。

2 スローガン

「定時退社デーを作ろう!」
― 定時退社で、自分の時間も大切に!―

3 手法・効果

時間外労働に関する労使の意識の改革 職場において長時間労働が行われていることをあまり問題としない職場風土を改め、安易な時間外労働や休日労働をさせない(しない)よう労使の意識改革をしましょう。
時間外労働に関する協定の遵守 時間外労働に関する協定の延長時間を遵守しましょう。また、労使で、業務や時間外労働の実態を把握・検討したうえで、延長時間の見直し(短縮)を行いましょう。
職場管理者による適正な労働時間管理 経営幹部や各職場管理者による実態の把握と日々の労働時間の適正管理を徹底しましょう。また、労働者1人ひとりも、上司・同僚とコミュニケーションをよくとって、業務を効率的に行うよう努めましょう。
「定時退社デー」 毎週○曜日を「定時退社デー」(または「ノー残業デー」)と決めて、会社全体又は部署ごとに定時退社するというルールを決めましょう。導入にあたっては、週の業務の状況等を検討し、他の曜日にしわ寄せがかからないよう、業務の見直し調整を行って、実施しましょう。可能であれば複数日を設定しましょう。さらに、月間の業務の状況により、一定の週を「定時退社ウィーク」(または「ノー残業ウィーク」)とすることも検討しましょう。
ポスターや社内報周知 実施が決まったら、ポスターや社内報等で社内に十分に周知し、全社であるいは、オフィス、工場、現場、店舗ごとに実施し、実効あるものとしましょう。
個人別定時退社 サービス業などで、勤務時間や休日が、労働者によって異なる場合などは、個人別に定時退社日を決めるなどして実施しましょう。
定時退社の効用(労働者にとって) 毎週決まった曜日に、定時退社することで、所定外労働が削減され、過重労働による健康障害の防止やメンタルヘルスの維持につながります。また、育児や介護やその他家事の時間を確保することができます。さらに、自分の時間を確保することで、自分の趣味や運動や自己啓発等の時間を持つなど、仕事と生活の調和のとれた働き方を進めることができます。
定時退社の効用(企業にとって) 企業にとっては、「定時退社デー」を確実に実施することにより、より効率的な働き方をするなど労働者のモラールが向上し、業務効率や生産性の向上にもつながることとなります。

V 企業におけるその他の取組事項
 「東京(関東甲信越ブロック)仕事と生活の調和推進会議」は、関東甲信越ブロック内企業において、仕事と生活の調和のとれた働き方を推進するため、重点取組目標(前記IV)と併せ、次の事項を実施するよう提言します。

(1)企業における実施体制の整備

 経営幹部自らが、仕事と生活の調和のとれた働き方を推進することを表明しましょう。表明にあたっては、労働時間等設定改善指針及び厚生労働省「男性が育児参加できるワーク・ライフ・バランス推進協議会」の提言を参考として下さい。
 時間外労働の状況、年次有給休暇の取得状況について実態の把握を行いましょう。
 社内に労使の話合いの機会(「労働時間等設定改善委員会」等)を設けましょう。

(2)労働時間等の設定の改善に取り組む

 労働者の抱える多様な事情及び業務の態様に対応した労働時間等の設定改善を図りましょう。
  変形労働時間制、フレックスタイム制、裁量労働制の活用等。
 年次有給休暇を取得しやすい環境の整備を図りましょう。
 前記IVの
 所定外労働の削減に取り組みましょう。
 前記IVの

(3)特に配慮を要する労働者に対する措置に取り組む

 特に健康の保持に努める必要がある労働者に対し、労働時間の短縮や深夜業の回数の削減等の措置を講じましょう。

 

 育児や家族の介護を行う労働者に対する短時間勤務制や、始業・終業時刻の繰上げ・繰下げ、年次有給休暇の取得促進及び所定外労働の削減等により、育児介護に必要な時間の確保を図りましょう。これらの取組は、次世代育成支援対策推進法に定める一般事業主行動計画の行動取組に当たります。

 

 妊娠中及び出産後の女性労働者に対する保健指導や健康診査の時間の確保及び健康診査の指導事項遵守のための勤務時間の短縮、休業等の措置を講じましょう。
 単身赴任者に対する休日の前日の就業時刻の繰り上げ、休日の翌日の始業時間の繰り下げを行いましょう。
 自発的な職業能力開発を図る労働者に対する教育訓練休暇の付与や始業・終業時刻の変更を行いましょう。
 地域活動、ボランティア活動へ参加する労働者に対する特別休暇の付与などを行いましょう。

(4)他の事業主との取引上配慮すべき事項

 取引先企業が講ずる労働時間等の設定改善措置の実施を阻害しないよう、納期の適正化、発注内容の頻繁な変更の抑制等について配慮しましょう。

VI これからの取組

 「東京(関東甲信越ブロック)仕事と生活の調和推進会議」は、年間を通じて、「仕事と生活の調和の取れた働き方」を推進するため、本推進プログラムの周知啓発を強力に進めることとします。また、本推進プログラムの推進状況を把握・評価し今後の改善につなげます。
 本推進プログラムの周知啓発にあたっては、各労働局は各部室、労働基準監督署、ハローワーク(「マザーズハローワーク」を含む。)などの協力を得て、年次有給休暇の取得促進など仕事と生活の調和のとれた働き方の推進について、ブロック内の先進的、模範的な取組を行っている事業場の情報を収集し、それらの取組事例を紹介することによって、ブロック内における一層の気運の醸成を図ることとします。
 また、19年度以降においては、職種別及び業種別の労働時間等の状況を把握分析のうえ当該職種及び業種における仕事と生活の調和の推進プログラムの策定に向けて、分科会を開催するなどして取組を進めていきます。
 また、ブロック内の各都県別の地域の実情・地域の実情に応じた今後の取組目標等についても、各労働局から情報や意見を求めるなどして、今後の取組のあり方の検討に資することとします。



東京(関東甲信越ブロック)仕事と生活の調和推進会議委員
(五十音順 敬省略)
(学識経験者)

小 倉 一 哉 独立行政法人労働政策研究・研修機構副主任研究員
議長 神 野 直 彦 東京大学大学院経済学研究科・経済学部教授

武石 恵美子 法政大学キャリアデザイン学部助教授

森 戸 英 幸 成蹊大学法科大学院教授・弁護士

渡 邉 嘉 子 株式会社リクルート HUMAN・AD編集長
(労働者代表委員)

岡田 孝敏 情報労連東京都協議会議長代行

尾野 秀明 日本労働組合総連合会東京都連合会副事務局長

喜多 久嘉 日本建設産業職員労働組合協議会政策企画局長

三浦 尚喜 運輸労連関東ブロック連絡会事務局長

芳野 友子 日本労働組合総連合会東京都連合会副会長
(使用者代表委員)

井上 智子 日野自動車株式会社人事部人材開発室長(東京経営者協会)

友松 省三 株式会社竹中工務店東京本店安全環境部長(東京建設業協会)

中川 正則 株式会社中川電機工業所(東京都中小企業団体中央会)

橋本 昌道 東京商工会議所産業政策部長

樋渡 智子 東京経営者協会人事労務部長

(事務局) 東京労働局労働基準部労働時間課
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